タムラ先生夜間外来(総合)

2010年07月08日

3025ー喘息発作・・・!!ー6

3025ータムラ先生夜間外来(総合)

3025ー喘息発作・・・!!ー6

 もう途中でやめられない! 続けます!

喘息に効く・・・漢方薬について!

 現在の新薬は、西洋医学の基礎・動物実験に基づいて生み出されてため、
実際に臨床に使われると効く患者と効かない患者が必ずいますし、
副作用もなく安全に服薬できる患者と副作用が出て中止せざるを得ない患者がいます。

この違いは体質の差と言う以外にないのですが、最近、ヒトの遺伝子解読が急速に進み、
個人ごとに遺伝子の配列が違うために薬に対する反応が異なると考えられるようになりました。
そこで予め遺伝子配列を調べて体質の違い(薬に対する反応)を予測し、
始めから患者個人に合わせて副作用のない最良の薬を、
最小量投与する治療の考えが広がりつつあります。

今までの治療法がレディーメード(既製)であるのに対して、
オーダーメードあるいはテーラーメード(注文仕立て)治療と呼ばれています。
漢方治療は、長い歴史のなか多くの経験に裏付けに基づいて生み出された治療法であり、
予め患者の薬に対する反応性を見極めたうえで治療を行う「随証」を原則としています。
患者の体質、体力とその時の闘病反応の強弱によって方剤を選ぶのです。

将来、西洋医学は患者の個性に合わせた治療、漢方は、
科学的証拠に基づいた治療へと向かい、互いに補完し融合する道をたどると予想されます。
喘息に対する漢方の治療は、普通、発作の急性期にはエフェドリン類を含み、
気管支拡張作用や鎮咳作用がある「麻黄剤(小青竜湯など)」、
慢性期には抗炎症作用のある「柴胡剤(柴朴湯など)」を使います。

アレルギー体質を持ち、体力があり発汗の多い患者には、
麻黄剤のうち麻杏甘石湯や五虎湯が良く、体力が中等度で喘鳴と鼻水のあるような患者は、
小青竜湯が良い適応です。
夜に咳が多く、痰の切れない患者には麦門冬湯が効果があります。

体力がなく胃腸が弱い脾虚の患者には補剤(補中益気湯、小建中湯)も、
用いて栄養状態を改善し体力を増強します。
一方、慢性期の使う柴朴湯は、下垂体副腎機能の賦活作用があり、
ステロイド薬を減らすことが出来ます。

高齢者の喘息で腰痛、下半身の脱力や冷えを持つ腎虚の患者には、
八味地黄丸が有効です。

漢方薬を使う時に注意することは、重症の喘息や発作のひどい時は、
西洋薬を優先し、漢方薬を使う時は「証」に合った薬を選び、
3〜4週間続けて効き目を確かめ、効果があるようなら1〜2年続けて使い、
無ければ調合の見直しをします。

減感作療法について!

減感作療法は、免疫療法とも呼ばれていますが、
一般的には、即時型アレルギーの原因抗原(アレルゲン)を患者に少量ずつ増やして注射し、
過敏性を減らすというものです。
90年ほど前から始まり、アレルギー性鼻炎や気管支喘息に効果のあることが、
認められています。
その機序については、
(1)遮断抗体が出来て、アレルゲンとIgE抗体の反応を阻止する、
(2)肥満細胞からのヒスタミンの遊離が減る、
(3)IgE抗体価が減る、
(4)サイトカインの産生が減る、などが考えられます。

アレルゲンに対する高いIgE抗体を持ち過敏性を認める喘息患者が、
治療の対象になります。
アレルゲンの皮内テストを行い、陽性となる最も薄い濃度(閾値)よりさらに、
10倍薄い濃度のアレルゲン希釈液の0.05 mlを初回量とし皮下に注射します。
その後、週に一回50%ずつ増量して皮下注射を続け0.5 mlになったら、
次に10倍濃い濃度のアレルゲン液に変の0.05 mlに変え同じように漸増します。

治療効果が認められ、かつ注射の発赤の径が30mm以内に収まる、
最高の濃度のアレルゲン量を注射の維持量として注射治療を継続します。
そして、週一回から2週に一回、月一回へと注射間隔を広げて行きます。

減感作療法の副作用は、注射場所の痛みと腫れ、喘息発作の誘発、
全身アナフィラキシーです。
アナフィラキシーは、全身に蕁麻疹が出て、呼吸困難、腹痛、
下痢、嘔吐、低血圧ショック、意識障害など重篤な全身のアレルギー反応です。

副作用を予防するため風邪を引いた時は注射を中止し、注射の間隔が延びた時は、
注射量を減らします。
注射後、体に異変を感じたらすぐに医師に連絡して下さい。

そのためにもアレルゲンの注射後の30分間は、医師の近くを離れないことが大切です。
減感作療法の効果を上げるため、方法を簡便にするために急速減感作療法、
精製アレルゲンや重合アレルゲンによる減感作療法、経口減感作療法が試みられています。

遺伝子の研究が進み、人の遺伝情報やアレルゲンの遺伝子の解析から、
ペプチド減感作療法、免疫反応を抑制させるサイトカイン療法、
アネルギー誘導療法など新しい免疫療法が実用になる日がくるかもしれません。

その時には、患者個人に合わせたアレルゲンペプチドや、
治療法を選択するテーラーメード免疫療法が行なわれるでしょう。

 しかし、残念なのはこの治療、患者の根気がどの程度続くのかが・・・大きな鍵!
脱落者も結構おられるのが現状・・・・・か?

喘息死!の問題?

喘息が原因で死亡する患者の数は、近年順調に減少して1975年に、
10万人当たりの死亡率は約5人になりましたが、その後の20数年は、
横ばい状態で推移し、年間約7,000人の患者が亡くなっています。

最近の吸入ステロイド療法の導入により、喘息の長期管理の成績が改善し、
個々の患者の発作回数が減ったにもかかわらず喘即死は減っていないのです。

しかも・・・・5歳から34歳までの若年層の比較的軽症な患者の死亡率は、
むしろ増えています。
なかでも20歳代の男性の急死が多くなっています。
死亡の発作の誘因は、気道感染、ストレス、過労が三大誘因で、
その他にステロイド薬の中止、アスピリンの服用、β刺激吸入薬等の、
過剰使用に原因があります。

この背景には、患者の喘息に対する 認識不足、不定期な受診、
医師の指示を守らない等コンプライアンス不足、医師の説明不足、
不充分な治療などの問題があると考えられます。
 そして、タバコの喫煙率・・・・!!
それは能動喫煙でも受動喫煙でも起こっているのです。

咳喘息について!それは・・・・普通の喘息とは違い、ゼーゼーという喘鳴がなく、
呼吸困難も伴わない咳が長く続き、気管支拡張薬を使うと、
咳の回数が減るという患者がいます。

通常は痰を伴わない空咳が就寝時や深夜から明け方に強く出、日中は冷気、
運動、飲酒、精神的な緊張などがきっかけとなり咳が連続して出ます。
この咳には、いわゆる咳止めは効果が少なく、喘息と同様にβ刺激薬、
テオフィリンなどの気管支拡張薬が有効です。

その他にも気道の過敏性が亢進していること、アトピー素因があること、
好酸球が浸潤した気道の炎症が見られること、吸入や経口のステロイド薬が、
有効なから咳喘息は喘息の亜型あるいは喘息の前段階と考えられています。

何ヶ月も咳が続き、風邪が長引いているかと思っていたら、
呼吸が苦しくなり喘息と診断される例は、珍しくありません。
類似した慢性の咳にアトピー咳がありますが気管支拡張薬は効果が期待できません。
その原因は、アレルギーが考えられ、多くの場合抗ヒスタミン薬が有効です。

長く続く咳は、咳喘息だけでなく肺結核、気管支肺炎などの感染症、
間質性肺炎、肺癌など見過ごせない病気があります。
また、高血圧の薬の副作用が原因の咳であったり、
鼻炎による鼻汁がのどに降りて咳が出たり・・・・・・、
胃液が食道に逆流するため誘発される咳がありますので、
医師に正しい診断をして治療してもらうことが大切です。喘息と運動!?

喘息患者は、激しい運動をすると喘息発作になることは良く知られており、
運動誘発喘息(exercise induced asthma :EIA) と言います。
風邪を引いた後とか、季節の変わり目で気管支の過敏性が亢進している時は、
急ぎ足で歩く、階段を上るなどの軽い運動だけでも喘鳴がし息苦しくなります。

このように運動は喘息の増悪因子の一つであり、
運動が唯一の発作因子の患者もいます。
運動によって起きる気管支の収縮は、運動を始めて数分で起き、
中止すると30分後には自然回復します。
しかし、なかには気管支収縮が長引いて、中等度〜重症の発作になることもあります。

運動誘発喘息が起きやすい条件は、重症度、運動の種類、運動時間、気温・湿度などです。

A) 喘息の重症度:
軽症患者の35%、中等症患者の78%に運動誘発喘息があり、
気管支の過敏性が亢進しているほど運動で発作が出やすいのです。運度の種類:
運動が激しいほど、一定のスピードで走るような運度程起き易い。
ゆっくりと運動を少しずつ強くする、そして休み時間を入れる、
インターバル運動では起きにくいと言われています。

マラソン、サッカー、ラグビー、登山はEIAを起こしやすく、
起こしにくいスポーツは、気管支の乾燥が少ない水泳や剣道です。気温と湿度:
運動して喘息発作が出るのは、息を弾ませる時に気管支が冷える事や、
気管支から水分が取られ乾燥することが原因と考えられます。
EIAは夏よりも冬の乾燥した寒い日に起き易いのです。
水泳は、気管支の乾燥がないため起きにくいのです。

発作を起こすことなく健康な人と同じようにスポーツが楽しむことは、
QOLの向上になり喘息治療の目的の一つです。
普段から適切な運動を続けると軽い呼吸量で運動が出来るようになるので、
喘息の治療の運動療法と考えられます。
また、スポーツは体力や運動能力を高めるほか、
精神面でも良い効果があると言われています。(多少の矛盾もあるが・・・・)
EIAの予防の第一は、喘息の重症度を改善することです。
そして・・・・・、そのためには薬物療法を強化することも必要です。

ウォーミングアップを充分に取り、夜間や冬季の運動時はマスクを使い、
鼻呼吸をして気管支の冷え、乾燥を防ぐと良いでしょう。
こうしてもEIAが出るようであれば運動前に気管支拡張薬や、
抗アレルギー薬(インタール)の吸入を行うと予防できます。

喘息と飲酒について!

飲酒すると、喘息患者の約半数が喘息症状の増悪を経験しており、
これはアルコール誘発喘息と呼ばれています。

お酒の主成分のエタノールは、肝臓で代謝されてアセトアルデヒドに変わり、
さらに アルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸と水に代謝されます。
日本人は約半数の人は、ALDHが変異していて機能せず、
酒を飲むと血中のアセトアルデヒドの濃度が上がります。

アセトアルデヒドは頭痛や吐き気を起こすため、
この人達は酒の弱い「下戸」と言われます。
さらに、アセトアルデヒドにより気管支粘膜の毛細血管が拡張し、
さらにヒスタミンの遊離が起きやすくなって喘息症状が悪化するのです。
生理喘息について!

女性の喘息患者では、生理前または生理中に喘息症状が悪化することがあります。
女性患者の3〜4割が生理喘息を経験し、それはおよそ1週間ほど続きます。
その間ピークフロー値は下がり気道が過敏になります。

生理前症候群といって生理の前、女性の心身は様々な面で不安定になりがちです。
喘息以外にも精神症状、むくみ(浮腫)、てんかんなどの症状が周期的に、
黄体期に出現して生理直前にもっとも強くなり、整理開始とともに急速に消えていきます。
その理由として、
(1)生理前期に体に水分が貯まり、気管支の粘膜がむくみ気道が狭くなる。
(2)性ホルモンのバランスの変化が気管支の平滑筋の収縮に影響する。
(3)肥満細胞から、ヒスタミンなどの気管支収縮物質の放出が増えるなどが考えられます。

治療法は喘息の悪化時の対応に変わりませんが、
むくみと取るための利尿薬(ラッシクス等)に効果があります。

喘息と妊娠、出産について!

喘息の女性患者が妊娠したとき、喘息が悪化する人が1/3、
良くなる人が1/3、変わらない人が1/3と言われています。
初回妊娠の時はどうなるか予測がつかないので不安も大きいですが、
2回目以降の妊娠は、どうやら初回と同じ経過をとるようです。

 妊娠により体質が変わる・・・・これもかなり有るようです!

妊娠して初めて喘息が発症する人もいますが、全体からみれば少数です。
悪化した人について調べますと妊娠4〜6ヶ月ごろに増悪していますが、
9ヶ月以降は逆に改善してくるようです。

妊娠そのものが悪いと言うより、薬物が胎児に悪い影響を与えることを心配して、
抗喘息薬の使用を減らし、コントロールが悪くなって喘息状態が悪化した例もかなりあります。
抗喘息薬の中で、妊娠中比較的安全に使用できる薬剤としては、
吸入薬のインタール、吸入ステロイド薬(アルデシン、ベコタイド)、
吸入β刺激薬、経口薬ではテオフィリン(テオドール、ユニフィルなど)、
ステロイド薬(プレドニン)があります。

経口の抗アレルギー薬は、胎児への影響についてはまだ不明ですので、
使用しない方が安全です。

喘息とスギの花粉症について!

植物の花粉が原因となる喘息は、ブタクサ喘息が良く知られていますが、
スギ花粉はアレルギー性鼻炎や結膜炎の原因にはなっても、
喘息を起こす事はまず見られないと言ってよいでしょう。

その理由として2つのことが考えられます。
それはつまり、花粉の大きさと気管支の過敏性の問題です。
発作は、アレルゲンが気管支に入ることにより起きるのですが、
スギ喘息が少ない理由の一つは、ブタクサの花粉の直径が、
20μm以下であるのに比べ、スギ花粉の大きさは直径40μmもあるので、
鼻から吸入されたスギ花粉が、鼻腔の粘膜に捕らえられて、
気管支まで到達しないためではないかと考えられます。

もう1つの理由は、花粉患者は数からいえば喘息では無い事のほうが多いので、
気管支が過敏ではないため、気管支にアレルギー反応が起きても、
簡単には収縮しないのです。

勿論、多量のスギ花粉を一度に吸うと収縮しますが、咳だけの場合もあります。
スギ花粉症の咳は珍しくありません。
従って、スギ花粉症の患者が喘息になるのは元来から喘息体質があって、
気管支が過敏な人がスギ花紛や、それ以外のアレルゲン(ダニ、ペット、カビ)に対して、
喘息になると考えられます。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希(のぞみ)

タムラ先生夜間外来(総合) 3025

DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/39517098

この記事へのトラックバック
タムラ先生夜間外来(総合) http://miya4486.sblo.jp/